ふるさと納税

アフィリエイト収入が月5万円でもふるさと納税した方がお得?

目安時間 17分

先日、専業主婦でアフィリエイトをやっているK子さんからこんなご質問をいただきました。

ふるさと納税のサイトを見ていたら、年収が150万円以上にならないとふるさと納税をやってもお得ではないって書いてあったんですが、、、
私は、アドセンスなどのアフィリエイトで月に5万円ぐらいの収入(年間で60万円ぐらい。)があります。年収はそんなに多くないのですが、もしかしたら、ふるさと納税をやった方がお得なのでは???と思っています。
ふるさと納税をやった方がお得であれば、いくらまでだったらいいですか?
ちなみに、アドセンス収入については、手間がかからない白色申告&雑所得で申告しようと思っています。あと、レンタルサーバー代の1万円分だけは必要経費にしようと思います。

K子さんのご質問のポイントは、

・専業(主婦)アフィリエイターで年収60万円だったら、ふるさと納税した方がお得なのか?
・ふるさと納税をした方がお得だとするといくらまでだったらお得なのか?

という点です。

ふるさと納税ポータルサイトの「さとふる」「ふるなび」「楽天ふるさと納税」などで、ふるさと納税の目安は書いてありますが、これは、

「給料が○○万円だったら、ふるさと納税は○○円までできる」

といったように、給料をもらっている方を中心としたシミュレーションで、給料以外の収入がある人をあまり想定していない仕様になっています。

こういったサイトだと、K子さんのお悩みは解決できませんよね。

そんなK子さんへの回答『ふるさと納税した方が得なのか?ふるさと納税した方が得だとするとMAXいくらまでふるさと納税した方がよいのか』を整理してみたいと思います。

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専業アフィリエイトの年収が60万円でもふるさと納税した方がお得なの?

ふるさと納税は、例えば、1万円分ふるさと納税をすると、自分がチョイスした1万円分の返礼品をもらえるとともに、自己負担金2,000円を除いた8,000円が最大戻ってくる制度というものですよね。

(ふるさと納税のイメージ)

ただ、『戻ってくる金額』は、個人が納めている税金から、そのお金が戻ってくるんです。

具体的には、個人が払っている「所得税」と「住民税」を原資として、ふるさと納税で支払った金額の一部が戻ってくるんです。

(ふるさと納税の還付金原資イメージ)

そのため、税金を支払う必要がない人については、『戻ってくる金額』の原資が0(ゼロ)となってしまうため、ふるさと納税しても全くお得ではないということになります。

逆に、「所得税」と「住民税」の両方を支払っている場合には、ふるさと納税で『戻ってくる金額』の原資がありますので、最大自己負担2,000円で返礼品をもらえるふるさと納税ができるということです。

では、K子さんの場合ではどうでしょうか。

K子さんの収入と税金の申告の状況はこんな感じです

アドセンスなどのアフィリエイトで月に5万円ぐらいの収入(年間で60万円ぐらい。)があります。年収はそんなに多くないのですが、もしかしたら、ふるさと納税をやった方がお得なのでは???と思っています。
ふるさと納税をやった方がお得であれば、いくらまでだったらいいですか?
ちなみに、アドセンス収入については、手間がかからない白色申告&雑所得で申告しようと思っています。あと、レンタルサーバー代の1万円分だけは必要経費にしようと思います。

K子さんがふるさと納税をした方がよいかどうかは、ふるさと納税で『戻ってくる金額』の原資として、「所得税」と「住民税」を払う必要があるのかっていうのを検討する必要があります。

K子さんの場合ですと、

K子さんの【所得税】

①所得税を計算するには、「課税所得金額」というものを計算しなくてはいけないです。

(課税所得金額はどうやって計算するの?)

収入-必要経費-所得控除=課税所得金額

という風に計算します。

課税所得金額の計算要素(所得税)
収入:アドセンス収入の60万円
必要経費:サーバー代の1万円
所得控除:16歳以上の扶養家族がいたり、所得のない配偶者がいるような場合には、所得控除といって、所得税のかかる所得金額を少なくすることができます。K子さんは、扶養家族なし・旦那さまはサラリーマンで年収600万円だと伺っていますので、扶養控除や配偶者控除という所得控除は0(ゼロ)です。ただ、『基礎控除』38万円(2020年以降は48万円)というものがありまして、少なくとも『基礎控除』38万円は所得金額から控除することができるのです。

これらを考慮して計算してみますと、

60万円-1万円-38万円=210,000円(課税所得金額)

と計算されます。

②課税所得金額に税率を掛けて、所得税を計算します。

(所得税はどうやって計算するの?)
課税所得金額×税率-控除額=所得税

(税率と控除額はこうやって決まっています-所得税の速算表)

所得税は累進税率といいまして、課税所得金額が大きくなればなるほど、税率が高くなります。

具体的には、課税所得金額(課税される所得金額)が「所得税の速算表」に示しているどの範囲内になるかによって段階的に『税率と控除額』が変化していきます。

K子さんの場合でいいますと、課税所得金額(課税される所得金額)は、195万円以下(21万円)ですので、所得税の速算表に照らし合わせて、「税率5%」「控除額0(ゼロ)円」と確認できると思います。

つまり、

210,000×5%-0=10,500円(所得税)

と計算されます。

まずは、ふるさと納税が還付されるための原資の所得税はあるということです。

K子さんの【住民税】

①住民税を計算するには、所得税と同じように「課税所得金額」というものを計算しなくてはいけないです。

(課税所得金額はどうやって計算するの?)

収入-必要経費-所得控除=課税所得金額

という風に計算します。基本的には、所得税の「課税所得金額」の計算と同じ方法で計算するんです。

課税所得金額の計算要素(住民税)
収入:アドセンス収入の60万円
必要経費:サーバー代の1万円
所得控除:住民税も所得税と同じような所得控除の制度になっているために、扶養控除や配偶者控除といった所得控除を受けることができますが、K子さんは、これらの控除は対象外となります。しかし、所得税と同じく、少なくとも『基礎控除』が所得金額から控除されるのです。ただ、所得税の『基礎控除』は38万円ですが、住民税の『基礎控除』は33万円となっています。

これを踏まえて、住民税の課税所得金額を計算してみると、

60万円-1万円-33万円=260,000円(課税所得金額)

と計算されます。

所得税と住民税で『基礎控除』の額が違うので、その分だけ、課税所得金額が違っていますね。

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②課税所得金額に税率を掛けて、住民税を計算します。

(住民税はどうやって計算するの?)
課税所得金額×税率-調整控除-税額控除+均等割=住民税

住民税は、前半部分(課税所得金額×税率-調整控除-税額控除:これを『所得割』といいます)と後半部分(均等割)の合計で税金を計算するんです。

前半部分(所得割)は、所得税の計算と同じような感じで、所得に税率を掛けて計算するんですが、所得税とは違って単一税率なんです(東京都では10%と決まっています)。所得金額が増えても減っても税率は同率となります。

後半部分(均等割)は、所得税にはない住民税の特有のもので、所得金額の大小に関係なく、一定額(東京都では5,000円)となっています。

次いで、「調整控除」ですが、これは、住民税の課税所得金額の計算の時に、「所得控除(基礎控除など)に差がありますよ」とお伝えしたと思うのですが、この差をそのまま残しておくと住民税の額が大きくなってしまうので、この調整控除というものを設定して税額を調整しています。

「調整控除」について、K子さんの場合には、『課税所得金額』or『所得税と住民税の基礎控除の差』のいずれか小さい金額に5%を掛けたものが、「調整控除」の金額になります。

『課税所得金額』>『所得税と住民税の基礎控除の差』

ですから、

『所得税と住民税の基礎控除の差』(38万円-33万円=5万円)×5%=2,500円

と計算されます。

「税額控除」には、配当控除や寄附金控除などがあるんですが、現状のK子さんには当てはまるものがないため、0(ゼロ)となります。

では、K子さんの住民税を計算してみましょう。

課税所得金額×税率-調整控除-税額控除+均等割=住民税

と計算されますので、各項目の金額を当てはめていきますと、

26万円×10%-2,500円-0円+5,000円
=23,500円(所得割)+5,000円(均等割)
=28,500円

というように計算されます。

ふるさと納税が還付されるための原資の住民税はあるというです。

K子さんは、ふるさと納税が還付されるための「所得税」も「住民税」も原資としてあることから、ふるさと納税をやった方がお得ということなんです。

専業アフィリエイトの年収が60万円だったら、ふるさと納税はいくらした方がお得なの?

ふるさと納税の戻ってくる金額は、一部が所得税から、一部が住民税からとお伝えしました。

(ふるさと納税の還付金原資イメージ)

では、所得税からいくら、住民税からいくら戻ってくるかといいますと、

・所得税から戻ってくる金額:(ふるさと納税額-2,000円)×所得税率
・住民税から戻ってくる金額:(ふるさと納税額-2,000円)×(1-所得税率)

で戻ってくるのですが、『住民税から戻って金額』はさらに、

・基本控除:(ふるさと納税額-2,000円)×10%
・特例控除:(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%-所得税率)

⇒基本控除+特例控除=住民税から戻ってくる金額
 =(ふるさと納税額-2,000円)×10%
  +(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%-所得税率)
 =(ふるさと納税額-2,000円)×(1-所得税率)

に区分されています。

ここで、ふるさと納税の戻ってくる金額について、所得税と住民税の合計額がマックスの還付原資になるんではないかと思ってしまうところですよね。

所得税は国税といって国の財源になり、住民税は地方税といって地方自治体の財源になるのですが、所得税と住民税の合計額をふるさと納税に伴う還付原資にしてしまうと、ふるさと納税の返礼品が魅力的な地域にお金が集中してしまって、国や地方自治体の財源がなくなってしまいます。

そのため、ふるさと納税には、

戻ってくる金額の上限

が決まっているのです。

ふるさと納税をするからには、例えば、ふるさと納税を1万円したら、自己負担金2,000円を差し引いた8,000円が戻ってくるようになった方がいいですよね。

では、このふるさと納税で戻ってくる金額の上限はどのように決まっているのでしょうか。

・所得税から戻ってくる金額:特に決まりはない
・住民税から戻ってくる金額-基本控除:特に決まりはない
・住民税から戻ってくる金額-特例控除:所得割(調整控除後)×20%が上限

ふるさと納税で戻ってくる金額の大半を占める特例控除に上限があるのです。

K子さんの住民税-所得割は、

23,500円

と計算しましたよね。

そのため、特例控除の上限は、

23,500円×20%=4,700円

となります。

この4,700円から逆算で、ふるさと納税をして得する上限額がわかります。

先ほど、ふるさと納税で戻ってくる金額の計算式は以下の通りだと示しました。

【所得税から戻ってくる金額】
⇒(ふるさと納税額-2,000円)×所得税率
【住民税から戻ってくる金額】

・基本控除:(ふるさと納税額-2,000円)×10%
・特例控除:(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%-所得税率)

このうち、『住民税-特例控除』の計算式を注目し、K子さんの場合に適用された所得税率に置き直してみると、

(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%-5%)
=(ふるさと納税額-2,000円)×85%

となりますよね。

つまり、

(ふるさと納税額-2,000円)×85%=4,700円

となるようにふるさと納税の額を調整できれば良いということになります。

ふるさと納税×85%-2,000円×85%=4,700円(左辺のかっこの中を展開)
⇒ふるさと納税×85%-1,700円=4,700円
⇒ふるさと納税×85%=4,700円+1,700円(左辺の1,700円を右辺に移項)
⇒ふるさと納税×85%=6,400円
⇒ふるさと納税×85%÷85%=6,400÷85%(両辺を85%で割る)
⇒ふるさと納税≒7,500円

となり、おおよそ7,500円が上限で、ふるさと納税した方がお得ということになります。

まとめ

サラリーマンで給料をもらっている人とアフィリエイトで報酬をもらっている人では、同じ年収であったとしても、ふるさと納税すると得する金額に差があります。

サラリーマンとしての年収が60万円だと所得税も住民税もかからないため、ふるさと納税はしてもまったくお得ではありません。しかし、同じ年収でもK子さんのようにアフィリエイト報酬で年収60万円だとふるさと納税した方がお得という結果となりました。

ふるさと納税がお得になるかどうかの第1の判断基準は、ふるさと納税が還付される原資となる所得税と住民税の支払いがあるか(もしくは、今後支払わなくてはいけない可能性があるか)ということがポイントとなります。

もし、こちらで取り上げた例以外でも、ネットビジネスをやっていて、税金や経理処理などで疑問に思うことがありましたら、 お気軽にご質問ください。

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