経理、税金なんでも質問コーナー

会社をやめて旦那の扶養に入ったけど在宅ワークで稼いだらどうなる?

目安時間 17分

今回は、A子さんからこんなお悩みを頂きました。

~~~~~以下、A子さんからのお悩み~~~~~
会社で正社員として働いていたけれど、結婚を機に6月末で仕事を辞めて夫の扶養に入った私。
会社員としてお勤めしていたのは、今年の6月までで、ボーナスも含めて280万円の収入がありました。
その後、7月から、お勤めしていたときのスキルを活かして在宅で仕事をしてみたら、8月には6万円、9月に10万円ぐらいの稼げるようになりました。
このまま続けていくともう少し収入は増えそうだけど、、、
あれ?
私って、会社員の夫の扶養にいつまで入っていられるんだろうか?
この収入が増えていったら、申告とかも必要なのかな?
バレなきゃ大丈夫?
~~~~~ここまで~~~~~~

 

今回のA子さんのご質問のポイントは、

 

1、会社員の夫の妻は、収入がいくらまでだったら、夫の扶養に入っていられる?

2、1年の中で、「会社退職→在宅ワークスタート」と収入が2か所になる場合には確定申告が必要?

 

という所ですね。

旦那さんの扶養の範囲内かどうかを気にしなくてはいけないってややこしいですよね。

そんなA子さんの収入と扶養の関係や、同じ1年の中で発生した給料・在宅ワークの収入と確定申告の複雑な関係をまとめてみます。

さて、A子さんは今年の確定申告は必要なのでしょうか?

収入はいくらまでなら夫の扶養に入っていられるのでしょうか?

会社を辞めて旦那の扶養に入ったけど在宅で収入があってもそのまま扶養継続できる?

A子さんの場合、会社を退職して、すぐに旦那さまの扶養に入ったと思います。

A子さんは自分が扶養に入ってみて、こんなこと実感していませんか?

 

1、保険料払わなくても健康保険証がもらえる

2、なぜだか国民年金を払わなくていい

 

もしかすると、あまり、「2、なぜだか国民年金を払わなくいい」っていうのは実感していないかもしれないませんが、、、

そうなんです。サラリーマンの夫の扶養に入るっていうことは、社会保険料を払わなくても、社会保険(健康保険証がもらえる!年金をもらえる権利がもらえる!)のサービスを受けることができるんです。

ですが、これだけなく、妻を自分の扶養に入れるっていう場合には、旦那さん側にもメリットがあるんです。

旦那さんは、奥さんを扶養にしていると自分の給料から天引きされている所得税や住民税が安くなるっていうメリットがあるんです。

給与振込口座に入金されている給料は、毎月、所得税や住民税を差し引いた後のお金なので、

所得税や住民税が安くなる→手取りの給料が増える→家計にありがたい

っていうことで、結果的に、奥様的にはありがたい制度なんです。

 

この2つの扶養制度(社会保険の扶養、税金の扶養)とも、奥さんの収入などによって、扶養を継続できるかどうかが決まってきます。

「じゃあ、いくら以上稼げるようになったらダメなの?(扶養から外れるの?)」

って思いますが、、、 奥さんに収入がある場合、 2つの扶養制度(社会保険の扶養、税金の扶養)は、扶養として継続できるための条件が『別々に』決められているんです。

『別々に』って、面倒くさそうな響きじゃないですか?

それなので、A子さんが、どういった場合に、各扶養制度を継続できなくなってしまうのか、 健康保険・年金といった社会保険の扶養の条件と所得税の扶養の条件をまとめてみます。

健康保険・年金といった社会保険に関する扶養を受けるための条件って?

まず、健康保険・年金といった社会保険の扶養に入る、つまり、自分で保険料や年金保険料を支払わずとも、保険証をもらったり、年金保険料の払い込みが行われているって状態の条件ですが、

年間の収入が130万円未満※
(旦那様の収入が260万円未満の場合には、旦那様の収入の1/2未満であること)

っていう条件を満たす必要があります(旦那さんが別居している場合にはちょっと条件が異なります)。

A子さんの場合、

「会社辞めるまでに280万円も収入があったし、、、(年間の収入130万円超えているし)もしかして、私って扶養に入っていてはダメだったのかも、、、とりあえず、、、黙っておくか、、、」

黙っておくのは、、、ダメなんですが、、、

すでに、年間の収入が130万円超えてしまった時点で、健康保険証をもらえる社会保険の扶養には入れないっていう勘違いをしてしまうケースって結構多いんです。

ですが、この「年間の収入」っていう言葉ですが、1月1日~12月31日っていう暦年を意味しているではなく、扶養を受けるようになった以降の1年間の収入(未来の収入)っていうのを意味しているんです。

なので、1年の途中で会社を辞めて夫の扶養に入ったようの場合については、会社員の退職の日(旦那さんの扶養に入った日)以降、将来に向けての1年間の収入が130万円未満かどうかで判断されることになります。

月平均にすると、月額108,333円以下っていう計算になります。

ですので、A子さんの場合には、会社員を辞めた時の収入の280万円っていうのは関係ありません。ですので、黙っておかなくとも、全く問題ありません。

その代わり、A子さんの場合ですと、在宅ワークで稼げるようになって収入の方が扶養が外れるかどうかでは重要なポイントになってくるんです。

A子さんの場合、8月には6万円の収入、9月には10万円の収入で、2ヶ月で16万円の収入っていう感じになっていますよね。そして、さらに稼いでいけるっていう状態ですよね。

ですので、例えば、次のような2つのようなケースではどうでしょうか?

1、A子さんの収入が10月以降も10万円の収入で安定的に発生し、10月以降の収入も10万円で推移した場合

この場合、年間の収入はこんな感じになりますよね。

6万円×1ヶ月+10万円×11か月=116万円(年間の収入)

ですので、在宅ワークで収入があっても、年間の収入は130万円に満たないので夫の扶養からは外れない!ってことになります。

2、A子さんの収入が10月以降は安定して増加し続けてしまった場合

8月:6万円、9月:10万円、10月:20万円、11月:50万円、12月:70万円

といった感じに推移してしまったとしましょう。

この場合、8月~11月までで、

 

6万+10万+20万+50万=86万円

 

でここまでは130万円未満となっています。

しかし、12月になった時点で、

 

6万+10万+20万+50万+70万円=156万円

 

と130万円以上となってしまいました。

社会保険の扶養については、将来に向かって条件を満たすかどうかを判断することになりますので、12月で、扶養の条件を満たさなくなってしまいますので、これ以降は、夫の扶養からは外れてしまいます。

所得税の扶養を受けるための条件って?

ぶっちゃけ、所得税の扶養については、扶養に入っていようが、外れてしまおうが、奥さんのお財布事情には特に関係ありません。。。

ですが、世帯のお金って意味ではとっても重要になってくるもので、無視はできないです。

もし、旦那さんが奥さんのことを所得税法での扶養に入れられると最大38万円分の所得控除(配偶者控除)っていうのを受けられるんです。

所得税って、所得金額によって、階層的に税率が決まっていまして、、、下の表みたいな感じですね。

所得金額が少ないほど、税金は少なく済むんです。

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例えば、所得が『195万円超-330万円以下』の範囲の方ですと、所得税率は10%徴収されることになりますので、配偶者控除38万円(扶養に伴う所得の控除)がされると、年間で、38万円×10%=3万8千円分の所得税が少なくなるんです。

これって、結構、大きな金額じゃないですか。ですので、所得税法の扶養に入れるとそれだけ得なんです。

じゃあ、所得税法において、配偶者控除とかの扶養控除を受けるためにはどうすればよいかっていう条件なんですが、こちらは、先ほどの社会保険の扶養に入る条件とはちょっと考え方が違っています。

社会保険の扶養については、退職日以降の日から1年間の将来にわたって、収入が130万円未満となるかどうかがポイントでしたが、所得税法の扶養は、1月1日~12月31日の暦年で判断します。

あと、収入金額ではなく、所得金額っていうもので判断するようになるんです。

所得金額=収入金額-必要経費や所得控除など

で計算されるんです。

つまり、

1月1日~12月31日までの所得金額が一定金額以下

が妻が夫の所得税上の扶養に入るための条件なんです。

そして、奥さんの暦年の所得金額が38万円以下である場合には、配偶者控除38万円を受けることできます。

また、会社員の時にもらっている収入(所得)は、所得税法では、『給与所得』っていうものに区分されていまして、必要経費は認められないんですが、収入金額に応じて、「給与所得控除」っていうものを給料収入から控除して『給与所得』金額を計算することになっています。

給与所得=給与収入-給与所得控除額

給与所得控除の額については、次の表に当てはめて計算することになります。

 

それでは、A子さんの場合を当てはめてみましょう。

まずは、所得金額を計算するために給与所得控除額を計算してみましょう。

A子さんの場合、6月末で会社を退職されるまでに収入が280万円ありましたので、上記の表の「給与等の収入金額」の「1,800,000円超 3,600,000円以下」の欄の右側にある計算式『収入金額×30%+180,000円』を見てください。これに、当てはめて計算してみますと、

280万円×30%+18万円=102万円

って計算できると思います。

給与所得=給与収入-給与所得控除額=280万円-102万円=178万円

178万円が給与所得っていうことになります。

そのため、A子さんは残念ながら、所得税法での配偶者控除の条件は満たさないことになってしまいますので、在宅ワークの収入が0であったとしても、所得税での扶養は受けられないことになります

1年の中で給料収入と在宅ワークの収入が発生した場合には確定申告って必要なの?

在宅ワークによる所得って、所得税法では、「事業所得」もしくは「雑所得」っていうのに区分されるんです。

在宅ワークがそこそこ儲かりそうで、開業届出書と青色申告承認申請書を税務署に提出しているような場合には、所得金額から65万円の控除を受けられる青色申告特別控除っていうものを受けれる可能性があります。

ただ、これについて『可能性』っていったのは、青色申告特別控除を受けるには、複式簿記っていう方法で帳簿を作成し、貸借対照表っていうのを作られなくてはいけないんです。

一概に、いくら以上の収入があったら、青色申告を採用できるって明確な基準はないんですが、在宅ワーク収入が生活上で重要なウェートを占めるようであれば、会計ソフト(やよいの青色申告オンラインなど)を導入して、青色申告するっていうことも検討した方がよいと思います。

ですので、青色申告って面倒なんですが、できれば青色申告をした方がいいんです。(青色申告をしたいっていう人が多いんです。)

じゃあ、こんな特典があるから、私の在宅ワークの所得は「事業所得」にしちゃおう!って思うんですが、、、税法はそんなに甘くないんです。

なんでもかんでも、所得を「事業所得」として申告することはできません。

「事業所得」として認められる場合には

その所得が自分の生活を維持する上で重要な収入源となっているか

っていうのが、一番重要なポイントなんです。つまり、お小遣い程度に稼いだぐらいでは、あとあと、税務署が税務調査に入った時に、「それは、事業所得としては認められないですね~。ですので、青色申告特別控除の65万円は認められないので、それに対応した税金と罰則金を支払ってください」って言われてしまうんです。

ですので、在宅ワークを「事業所得」として青色申告するんであれば、生活上重要な収入なんだということを説明できるようになっている必要があるんです。

【関連記事】事業所得と雑所得の区分に関する詳しい解説はこちら
サラリーマンでも副業のアドセンス収入を青色申告できるよね?できない場合ってあるの?

なお、1年の中で給与所得と給与所得以外の所得が20万円を超えた場合には、確定申告が必要となってきます。

そのため、年の途中で退職し、在宅ワークで稼いだ所得が20万円(収入から必要経費を引いた金額が20万円)を超えるようであれば、その所得を「事業所得」もしくは「雑所得」として確定申告することが必要となってしまいます。

 

A子さんの場合ですと、8月には6万円、9月には10万円で、これ以降もこのまま続けていくと伸びていくっていった感じですよね。

1年の中(1月1日~12月31日の中)で、給与所得と給与所得以外の所得を20万円超稼いだ場合には、確定申告が必要なので、A子さんが順調に収入を増やしていくと確定申告する必要がでてくると思います。

なお、在宅ワークの所得って「雑所得」もしくは「事業所得」になるんですが、先ほどの給与所得と違って収入金額に応じて控除額が決まるのではなく、「必要経費」って言って、所得を獲得するために使ったコストなど(材料費、電話代、電気代、交通費など)、所得を得るために、直接的に使った費用でなくてはなりません。

例えば、自宅の一室を在宅ワークの作業部屋にしている場合に、作業部屋で作業している間に使用している電気代については必要経費にすることはできるんですが、作業部屋以外の電気代や作業していないときにかかる電気代などは必要経費とすることはできません

A子さんが 8月:6万円、9月:10万円、10月:20万円、11月:50万円、12月:70万円 の合計156万円の収入があるような場合、必要経費136万円未満(156万円-20万円=136万円)となるような場合には、所得金額が20万円を超える(156万円-20万円)となりますので、確定申告が必要となります。

まとめ

年の途中で会社を辞めて、旦那の扶養に入った場合、その後、在宅ワークをした場合に注意しなくてはいけない『扶養』は次の2つの扶養があります。

①社会保険に関する扶養
②所得税法に関する扶養

また、1年の中で、給与所得と給与所得以外の所得が20万円を超えたら、確定申告も必要なので、ご注意ください。

もし、こちらで取り上げた例以外でも、ネットビジネスをやっていて、税金や経理処理などで疑問に思うことがありましたら、 お気軽にご質問ください。

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